絹は夏に向かないと思っている方が多い。確かに、厚手の絹は暑い。でも、西陣の薄絹は別です。経糸に絹、緯糸にコットンを混ぜることで、絹の光沢と軽さを保ちながら、コットンの吸湿性を加えた布になります。丹後屋の四代目、田中 誠一郎さんがこの配合を完成させたのは、二十年以上前のことだと言います。
西陣織とは何か ¶
西陣織は、京都の西陣地区で生産される先染めの紋織物の総称です。室町時代から続く産地で、現在も多くの機屋が手機(てばた)または力織機を使って布を織っています。西陣織の特徴は、先に糸を染めてから織ることで、色の深みと発色の良さが生まれる点です。丹後屋は大正十二年創業。現在の四代目、田中 誠一郎さんが家業を継いだのは二〇〇三年のことです。
経糸と緯糸の配合 ¶
当店のスカーフに使用している薄絹は、経糸に絹一〇〇パーセント、緯糸に絹六〇パーセントとコットン四〇パーセントを混ぜた配合です。経糸が光を縦に受け、緯糸のコットンが横方向の吸湿を担います。この配合は今季さらに調整され、昨年より経糸の密度を少し下げることで、より透け感が増しました。光の中で広げると、向こう側の景色が薄く透けて見えます。
夏のスカーフの使い方 ¶
薄絹のスカーフは、首に巻くよりも、肩にかけるか髪に結ぶ使い方が夏には向いています。首に巻く場合は、ゆるく一巻きにして、端を胸元に垂らすと涼しく見えます。バッグのハンドルに結ぶのも、夏の光の中では映えます。幅五十センチ、長さ百八十センチというサイズは、様々な使い方に対応できるよう、田中さんと相談して決めました。
絹のお手入れ ¶
絹は水洗いができますが、摩擦に弱いため、手洗いが基本です。中性洗剤を少量溶かした30度以下の水で、押し洗いするように。絞らず、タオルで水気を取ってから陰干し。アイロンは低温で、当て布を使ってください。正しくお手入れすれば、絹は何年でも使える素材です。
西陣の薄絹スカーフは、今季のコレクションに一点のみです。十二枚の制作で、すでに数点は試着予約が入っています。気になる方はお早めにご連絡ください。